上司と上手につきあう方法【完結】

「あ、きたきたー」



川島さんが私と紗江子が近づいてくるのに気付いて、手を振る。
(川島さんは部長がわりと目を掛けている、憎めないタイプの体育会系男子だ。ちなみにお酒が弱いことで、過去何度か部長に迷惑をかけているらしい)



「お、浴衣男子っ!」

「へっへーん」



紗江子の声に、無駄にキリッとした男前顔を作る川島さんの向こうに部長が座っている。同じ浴衣姿なのに、妙にきっちりしている。心臓がドキリと跳ねた。

思わず彼ににじり寄っていた。



「部長、もう大丈夫なんですか?」

「――ああ」



彼は小さくうなずき、それから低い声でささやいた。



「迷惑かけたな……すまなかった」



うつむいた彼のすっきりした目のふちが、うっすら赤いのは温泉のせいだろうか。


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