上司と上手につきあう方法【完結】

部屋に戻るとすでにお布団が敷かれていた。


アルコールも入っていたし、このままお布団にもぐりこみたい気分だったけど、寝る前にもう一度お風呂に入ろうと、紗江子に誘われ、一緒に大浴場へ行った。

そしてゆっくり湯船につかり、文字通りすっぴんで部屋に戻っていたのだけれど――

持っていたエコバッグの中に、髪を結んでいたシュシュが入っていないことに気付いた私。



「ごめーん、シュシュ取ってくるね、たぶん、脱衣所のかごの中だと思うし」

「わかった。じゃあ先に部屋帰ってるね」



紗江子と廊下の途中で別れて、大浴場への道を引き返す。

時間はちょうど真夜中にさしかかろうとしていたため、すでに清掃のひとが入っていたけれど、断って中に入れてもらった。



「あった、あった」



案の定、シュシュは脱衣場の籠の中にいれっぱなしにしていたようだ。

シュシュを手首にはめ、そのまま部屋へと戻る。



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