上司と上手につきあう方法【完結】
「ああ、そうだな」
部長はうなずき、それから私を肩越しに振り返る。
「あそこで話そう」
部長がさし示したのは、庭の隅っこに設置してある東屋だった。
屋根もベンチもある。少し離れたところに外灯もあるから、真っ暗というわけでもない。
確かに静かに話す場所としてはうってつけかもしれない。
無言で東屋まで行き、二人で並んで腰を下ろしたのだけれど、どうしても落ち着かない。
心臓のドキドキは加速する一方だし、喉も渇いてうまく声も出せる気がしなかった。
どうしよう。めっちゃ緊張するんですけど!
本当、いったい何の話なの!?
チラチラと、右隣に腰を下ろした部長を見つめる私。