上司と上手につきあう方法【完結】
そのまま、砂浜にしゃがみ込む私。
すぐに戻ると言ったのに、とてもそんな気にはなれなかった。
そうやってしばらくぼーっと座り込んでいると、目の前の砂が踏みしめられる気配がし――
「――美琴、帰ろう。そんなことしてたら風邪ひく」
顔を上げると、朝陽が困ったような顔をして、私に手を差し伸べていた。
「あさ、ひ……」
どうして彼がここに?
「――別に跡をつけたわけじゃないよ。マジで……って、毎回こういう言い訳してるけど、本当、マジで。ちょっと眠れなくて、散歩してたんだけど、なんか砂浜に座ってる人が見えて、もしかして幽霊か!?ってワクワクして近づいたら、美琴だったというね」
「ワクワクって……」
「いや、ワクワクするでしょ」