上司と上手につきあう方法【完結】
朝陽はいつにも増して熱っぽく、囁きながら私の両肩に手のひらを乗せた。
肩から冷え切った体に、じんわりと彼の情熱が伝わってくるような気がする。
冗談でしょって笑って振りほどけない、そんなせっぱつまった空気を感じだ。
「――あんな別れ方したから……俺のこと、信用できない?」
「――」
少し考えて、横に首を振る。
「そうじゃない……。そりゃ、朝陽にあんな風にフラれて、当時はつらかったし、もう、恋愛はいいやって思ってたけど……」
私はゆっくりと顔をあげる。
「好きっていう、お互いの気持ちだけで付き合ってたんだから、好きじゃなくなったのなら、別れる。とてもシンプルなことだし」
そう、そうなのだ。