上司と上手につきあう方法【完結】
手持無沙汰で、持っていたバッグの中から小さなキャンディを取りだして、口に運んだ。
だってさ、部長とは散々その……えっちいことまでしてしまったのに(しかも私史上最高に)
名前で呼び合いましょうで、こんなに恥ずかしくなるとは思わなかった。
いやいや、でもそう名前なんて呼ぶことないだろうし。
おそらくご両親の前で一回、二回……それっぽく口にするだけだろうから、こんなにドキドキする必要はないはずだ。
私はその時がきたら、ビビらず毅然とした態度で、「はい、ササグさん」って応えればいい――
そんなシミュレーションをしながら、コロン、コロンと口の中でキャンディを転がしていると。
「美琴」
低い声で、部長が私の名前を呼んだ。
しかも耳元で。