上司と上手につきあう方法【完結】
紗江子は同じ会社だからさすがに誤魔化せない。
だけど詳しく話すのもなんだか、という気がして。
「実はあの中にさー……」
とりあえずさらっと、知り合いがいて、と言いかけたその瞬間。
「――平尾」
低い声が私の名前を呼んだ。
ハッと声のしたほうを見てみれば、そこにはデスクについている永野部長の姿。
ダークグレーのスーツ姿の彼は、一糸乱れぬ定規のようなたたずまいがある。
「ちょっといいか」
彼は立ち上がりちょいちょいと手招きをすると、私と紗江子の横を通り併設している会議室へと向かう。
話があるとしたら、もちろん金曜日のことだ。
「ちょっと美琴、何やったのよ……」