上司と上手につきあう方法【完結】
「あの、部長……お気になさらず……部長がお酒に弱いなんて知らなくて、私がどんどん飲ませちゃったんです」
「クッ……」
部長の肩がビクッと揺れた。
残念ながらどんなフォローをしても彼の慰めにはならないようだ。
「あ、ああ、そうだ、支払いもしてない……はずだ」
「いいですよ。もう」
「そうはいかない!」
部長は苦悩した表情のまま私を見上げる。
ああ……なんだろう。その顔を見ながら、部長って真面目なんだなって今さらながら思ったりして。
「じゃあ、貸し一つってことで」
「貸し借りは嫌いだ」
「でも今更お金をもらうのも、ちょっと……」
そうやって、返す、返さないの問答を数分繰り返しているうちに、部長はゆっくりと立ち上がって(けれど表情は険しいままだ)