上司と上手につきあう方法【完結】
彼に振られるまで、平凡ではあるけれど、平和にそれなりに誠実に生きていた私。
心から信じた人に裏切られたのは彼が初めてだった。
「もう好きじゃなくなった」という朝陽の冷徹な宣告を突きつけられてからあとも、素直にそれを受け入れ、すんなりと別れられたわけじゃない。
別れたくないと抵抗したし、泣いてすがったりもした。
けれど朝陽の気持ちがピクリとも動かないのを知ると、今度は物わかりのいい女を演じようとして、彼の側にいようとした。
『二番目でもいい、三番目でもいい』と、彼の慈悲に縋り付こうとした。
そうやって朝日につきまとえばつきまとうほど、朝陽が冷めていくのは手に取るようにわかっていた。
わかっていたはずなのに、それでも捨てられたくない女というのは、ここまでひどい醜態をさらせるのかと、思い出しただけで、めまいがするような日々だった。