上司と上手につきあう方法【完結】
あの時計がとても大事なものだって、朝陽は知っていたはずなのに
たとえ別れたと言っても、もう少し探してくれたっていいのに
私とはもう会話すらしたくないんだって、私のために何かをしようって気にはならないんだって気付かされて――
私は二度、傷ついた。
「あのあと、見つけたんだよ。いつか渡せたらいいって思ってた」
「――」
「荷物のどこかにあるのは間違いない。一緒に探してよ。美琴が探してくれなきゃ、たぶん一生出てこないかも」
私を静かに見下ろす朝陽の瞳。
彼はただ単に『人好きのする男』じゃない。
誰から見ても好かれるタイプの、太陽のような男だけれど、そんな単純な男じゃない。
わかっているのに、私は――
「わかった……」
と、うなずいていた。