上司と上手につきあう方法【完結】
朝陽の住むマンションは、都内の、ちょうど私と部長の部屋と同じくらい離れているところにあった。
例えていうのなら、私たちの部屋を結ぶと、ちょうど三角形が描ける感じ。
鉄筋コンクリートの立派なマンションで、朝陽はそこの十二階に引っ越したらしい。
「――どうぞ」
「お邪魔します」
鍵を開けて、ドアを開ける朝陽。ぺこりと頭を下げて、玄関に足を踏み入れた。
段ボールが所狭しと積んであって、この中から時計を探すのかと、今更ながらちょっぴりうんざりする。
「ずいぶんいいところに住んでるのね。分譲の賃貸?」
持っていたバッグをとりあえずリビングのソファーの上に置く。
柔らかそうなソファーは本革っぽい。
広いリビング。品のいい壁紙とカーテン。電化製品も家具もそのままらしい。
大量の段ボール以外は、裕福な家庭を思わせる生活空間だ。