上司と上手につきあう方法【完結】

朝陽の住むマンションは、都内の、ちょうど私と部長の部屋と同じくらい離れているところにあった。

例えていうのなら、私たちの部屋を結ぶと、ちょうど三角形が描ける感じ。

鉄筋コンクリートの立派なマンションで、朝陽はそこの十二階に引っ越したらしい。



「――どうぞ」

「お邪魔します」



鍵を開けて、ドアを開ける朝陽。ぺこりと頭を下げて、玄関に足を踏み入れた。

段ボールが所狭しと積んであって、この中から時計を探すのかと、今更ながらちょっぴりうんざりする。



「ずいぶんいいところに住んでるのね。分譲の賃貸?」



持っていたバッグをとりあえずリビングのソファーの上に置く。

柔らかそうなソファーは本革っぽい。

広いリビング。品のいい壁紙とカーテン。電化製品も家具もそのままらしい。

大量の段ボール以外は、裕福な家庭を思わせる生活空間だ。



< 97 / 361 >

この作品をシェア

pagetop