政略結婚~天使に導かれて~
「愛、どんなだ?」

「うん、やっぱり陣痛みた・・・うっ・・・・・」

「愛さん、今、痛いんですね!?」

愛は声を出すことも出来ないほどの痛みに襲われていた。

優子はそんな愛を見て、時計で時間を計り始めた。

「颯太さん、今、愛さんの陣痛が和らいだら、どのくらいの間隔か
 教えてください。
 私は、今のうちに、朝ご飯の支度をしてきますから。
 ご飯はしっかり食べないと、出産は出来ませんからね!」

優子は、颯太に時間を計らせて、自分はキッチンへ行き、颯太と
愛の朝食を作り始めた。

颯太も愛を、今日はのど越しの良いものが良いだろうと、雑炊を
作り、出来上がった雑炊を、寝室へ運んだ。

「颯太さん、何分間隔でしたか?」

「今はまだ20分位ですね・・・・」

「そうですか。解りました。お二人とも、今のうちにご飯を食べて
 ください。」

「愛、食べれるか?」

「うん、今なら平気!美味しそう!颯太も食べよう!颯太も
 今日は、しっかり食べて、立ち会ってね!?」

「解ってるよ。優子さん、いただきます。」

二人で、美味しく雑炊を食べ、愛は、食べている最中に、また
陣痛が来て、それが収まると、また食べてと、慌ただしく雑炊を
食べた。
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