政略結婚~天使に導かれて~
「どうした、悠太?」

奥から、豊がやって来た。

「うん、ちょっと話があって・・・・いいかな?」

「おぉー、どうした?」

豊の後ろから、君子もやってきて、悠太は光太を抱きながら、ソファーに
座った。

「父さん、母さん、俺、愛と結婚したい・・・・」

「「・・・・・・・・・・・」」

「実は、昨日、やっと告白したんだ・・・・」

「悠太・・・お前・・・・やっぱり愛ちゃんの事、好きだったのか!?」

「あぁー、実は、俺の方が、兄さんより先に、愛に会っていたんだ・・・
 今思えば、その時に、自分が行動していれば、愛は兄さんの妻じゃなく
 最初から、俺の妻になっていたのかもしれない・・・・・」

「えっ、そうなの・・・・悠太が先に出会っていたの?」

「うん、偶然、アメリカで会っていたんだ。ただその時、急いでいて
 名前も聞かずに別れてしまって・・・・・ずっと後悔していたんだ。
 そして帰国して兄さんのマンションに行ったら、愛と再会して・・・・
 すごくショックだったよ・・・。どれだけ後悔したか・・・・」

「「・・・悠太・・・・」」

「愛ちゃんと、結婚するのは、俺達は反対はしない。だが外野がうるさいぞ。
 それをきちんとしろ。」

豊に釘を刺されながらも、悠太は、自分の意志を貫くつもりでいた。
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