恋人たちのパンドラ【完】
彼女の手にある高そうな輪島塗のお盆の上にはまだ二つの緑茶が乗っていた。
「せっかく、お茶をお持ちしたのにもうお帰りなんですか?」
そういって、悠里の掴んでいた腕をさらに強くつかむ
「いたっ」
そういって腕を悠里が振りほどいた。
力いっぱい振りほどいたので、悠里の鞄の中身がそこに散らばる。
あわてて悠里は、カバンの中身を拾い集めようとする。
そして最後に残った、部屋の鍵を拾おうとし、手を伸ばしつかんだ時、手に衝撃が走った。
「こんな汚らしいクマのぬいぐるみつけてるなんて、みすぼらしい~」
悠里の手をヒールで踏みつけながら見下す。
踏みつけられた手は火のように熱を持ち熱い。痛みもジンジンと襲ってきた。
「やだ、痛い!やめて」
悠里は必死で美咲の足をどけようとする。
その瞬間自分の頭上に‘バシャリ’と水がかかった。
「あ~あ、私お茶持ってるのに、暴れるから。でもこれあなたのために入れたお茶だからちゃんと飲んで帰ってくださいね」
俯いている悠里の髪からは水滴がしたたっていた。
(どうして、どうしてこんなことになるの。私が・・・自分の感情のままに壮介に抱かれたから罰があたったの?)
悔しくて、涙が一筋流れた時
「せっかく、お茶をお持ちしたのにもうお帰りなんですか?」
そういって、悠里の掴んでいた腕をさらに強くつかむ
「いたっ」
そういって腕を悠里が振りほどいた。
力いっぱい振りほどいたので、悠里の鞄の中身がそこに散らばる。
あわてて悠里は、カバンの中身を拾い集めようとする。
そして最後に残った、部屋の鍵を拾おうとし、手を伸ばしつかんだ時、手に衝撃が走った。
「こんな汚らしいクマのぬいぐるみつけてるなんて、みすぼらしい~」
悠里の手をヒールで踏みつけながら見下す。
踏みつけられた手は火のように熱を持ち熱い。痛みもジンジンと襲ってきた。
「やだ、痛い!やめて」
悠里は必死で美咲の足をどけようとする。
その瞬間自分の頭上に‘バシャリ’と水がかかった。
「あ~あ、私お茶持ってるのに、暴れるから。でもこれあなたのために入れたお茶だからちゃんと飲んで帰ってくださいね」
俯いている悠里の髪からは水滴がしたたっていた。
(どうして、どうしてこんなことになるの。私が・・・自分の感情のままに壮介に抱かれたから罰があたったの?)
悔しくて、涙が一筋流れた時