彼女のすべてを知らないけれど
ペット禁止だから、なんて、弱虫な俺をかばう言い訳に過ぎない。然も、それをよく分かっていたはず……。
命守神社の敷地は広い。然の家族も事情を理解してくれ、敷地内でロシアンブルーの様子を見るのを快諾してくれた。
然宅の玄関先で彼と別れた俺は、最後に、 ロシアンブルーのいる敷地の隅に立ち寄った。然が用意してくれた真新しい段ボールの中、猫は眠っている。
先日然にプレゼントされたお守り、 命守流願望成就札を取り出し、段ボールの 中にそっと入れた。
「これ、お前にあげるよ」