彼女のすべてを知らないけれど
それ以上に、俺はいま、自分を許せなかった。
放っておいたら危険な目に遭うかもしれないロシアンブルーを、自分の勝手で放置してしまったのだから……。
もし、あの猫に何かあったら、俺のせい だ!
スマホで然に電話をし、俺は心当たりのある場所を探した。然も、近所を探し回ってくれている。
でも結局、ロシアンブルーは見つからなかった。
日が沈んだ後になって、俺はようやく、然と顔を合わせた。
「ごめんな、俺が不注意だったから」
「然は悪くないよ。こっちこそごめん、色々探してくれて。疲れたよな」
「ううん、全然!」
気を遣っているのか、本心なのか、然はさっぱりした顔で首を横に振る。
「これから、ウチでご飯食べる? 紹介したい人もいるし」
俺は然を夕食に誘った。こんな時間まで猫探しをしてくれていた彼にお礼の気持ちを込めて。
それに、この時間ならきっとミコトもいる。そろそろ、然にもミコトのことを打ち明けていい頃だろう。
「わかった。じゃあ、行くわ。紹介したい人って、もしかして湊の彼女~!?」
「いや、そういうのじゃないよ」