彼女のすべてを知らないけれど
『大丈夫か? 何があった?』
「ウソみたいな話って思われるかもしれないけど、実は……」
言おうか言うまいか迷ったが、俺は、然に事情を説明することにした。
お守りをもらった日から、ミコトという神と親しくしていたこと。ベッドで寝ていた見知らぬ女の子のこと。そして、いなくなったロシアンブルーのそばに、お守りを置いてしまったことを。
『そっか。湊も、ミコトに会ったんだな』
「うん。……然、ごめん。せっかく俺のためにくれた物だったのに……。お守りも、猫と一緒に無くなってしまって」
然が好意でくれたお守りを勝手に猫にあげてしまった。そのことでかなり怒らせてしまうかと思ったのに、然は全然気にしていない様子だった。彼は朗らかに、
『気にするなって。あれは湊にあげたものだ。湊が猫にお守りあげたくなるの、分かる気がするし』