彼女のすべてを知らないけれど
そろそろ、夕食の支度でもしようかな。
窓には、紫とピンクが混じった絶妙なコントラストが浮かんでる。もうすぐ、夜になってしまう。
然には後で電話して、今日猫探しをできなかったことを謝らないといけないなと考えつつ、夜ご飯の材料を冷蔵庫から取り出していると、
「んー……」
奥のベッドルームから、眠そうな女の子の声がした。
起きたんだ!!
背筋がヒヤリとする。何も悪いことなんてしてないのに、心臓が嫌な感じで早鐘を打った。
今まで冷静に部屋の掃除とかしてたのも全くの無駄になってしまった。
どうしよう。ベッドルームに行くべきだろうか? いや、彼女はまだ裸のままかもしれないし、着替えが済んだのを見計らって顔を出す方が無難かもしれない。
ほんの数秒間。俺は、人生でもっとも頭をフル回転させて、次に取るべき行動をシミュレーションしていた。