偽りの婚約者




「さっき玲奈さんが俺達のテーブルに来たんだ。
少しだけ話しをしたんだけど、お前の事を冷たいって言ってたぞ」



「玲奈にはここへ来て直ぐに会ったんです」



「本社の総務課は早くから来て準備をしていたから、もしかして会うかもとは思ったんだ」



「玲奈には、お見合いをするって言いました。
……随分前に彼女とは会って別れ話しもしたんです」
彼女に必要なのは、俺じゃないから……。」



「……東條、お前はまだ……玲奈さんに想いがあるんじゃないか?」



「……これからする事は、間違いなく彼女を傷つけるって分かっているのに、玲奈の近くになんていられると思いますか?」



「今ならまだ引き返せるんじゃないか?」



「言った筈です。復讐はやめないと。だからもう、会わない方がいいんです」



「……そうだったよな。余計な事を言ったな。悪い」



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