偽りの婚約者




「玲奈さんの話しを聞いて中島さん、いきり立ってたぞ?
あの勢いじゃお前、殴り込みかけられるかもな」


「は?玲奈の友達……ですか?」


「冗談だ。泣いてる玲奈さんを中島さんと安西さんで慰めてる。事情を知ってるから、なんだか……居づらくてな」



「……そうですか」


復讐を果たしたら、もう玲奈とは二度と会えない。
合わす顔もないしな。胸の奥が痛むと、まだ残っている玲奈への想いをまぎらわそうと一気にビールを飲み干した。



「……安西さんは大丈夫かなぁ」


「安西千夏が、どうかしたんですか?」


「あぁ、お酒はあまり飲めないようなんだけど、玲奈さんに付き合って飲んでいたからちょっと心配でな……」



「彼女、酒弱いんですか?」


「あぁ、うちの課で新入社員の歓迎会をした時に飲めないお酒を無理して飲んで動けなくなってな……。大変だったんだ」




安西千夏がいるテーブルを見ると、彼女はなぜか居なかった。



暫く先輩と話しながら飲んでいたが、先輩が席を立って他の課の知り合いの所に行ってしまい。
俺はトイレに行こうと立ち上がった。






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