偽りの婚約者
再び唇を重ねた。
抱き上げ寝室に運びベッドの上におろす。
ベッドから降りようとした千夏を掴まえて上からベッドに押さえつけた。
「駄目だっ!!逃がさねぇ」
千夏の頬に伝う涙を吸う。
「恐いか?お前、初めての経験なんだろう?
ここまでする、つもりはなかったんだ。
だけど……それを変更させたのはお前だ」
「やだっ!!こんなの間違ってる」
「何が間違ってる?」
「……好きじゃない……でしょ」
「何?」
「だからっ、私の事なんて好きでもないくせに」
お前の事が好きなんだ、そう言ったら信じてくれるだろうか?
「好きだ」