空と虹の境界線
「それで、どうされたんです?」
前の岡田さんの質問には答えず、話を進めよう。
そう考えた俺は、次の話題へと進んだ。
「・・・俺にも好きな奴がいるんだがな・・・」
溜息を一つつき、話し出した岡田さんの話に俺は耳を傾けた。
もちろん、終始無言で、だけど。
「そいつに俺は・・・想いを伝える前に、きっとこの世から消えちまう」
甘味屋の窓から見える、京の町の景色。
それを遠い目をしながら、見つめている岡田さん。
その時、一体岡田さんが何を思っていたのか・・・
俺には、分からない。