空と虹の境界線


「それで、どうされたんです?」



前の岡田さんの質問には答えず、話を進めよう。


そう考えた俺は、次の話題へと進んだ。



「・・・俺にも好きな奴がいるんだがな・・・」



溜息を一つつき、話し出した岡田さんの話に俺は耳を傾けた。


もちろん、終始無言で、だけど。



「そいつに俺は・・・想いを伝える前に、きっとこの世から消えちまう」



甘味屋の窓から見える、京の町の景色。


それを遠い目をしながら、見つめている岡田さん。



その時、一体岡田さんが何を思っていたのか・・・


俺には、分からない。

< 43 / 71 >

この作品をシェア

pagetop