最後の血肉晩餐
「大丈夫、大丈夫! あひゃひゃ!」


「お水買ってこようか?」


「大丈夫ですってぇ~!」


その言葉を伏せるように、唇を奪った。南は酔いが一瞬冷めたかのように、上目使いで俺の顔を見つめた。


上目使いで見た、その眼は潤んでいる。それはお酒のせいなのか、なんなのか、よくわからなかった。


人がこなそうな、駐車場の影の石段に一先ず座らせ、お水を買ってくると一言いい、自動販売機に向かった。


「なんなんだ。あの眼は。そそられるじゃないか」


水を買って急いで戻る。ぼーっとした南がいた。


「ほらっ! お水だよ! 飲んで! 帰れなくなっちゃうよ!」


南は水を奪いとり、飲み始めた。喉を鳴らし、だいぶ勢いよく飲んでいるようだ。


「ぷふぁ~あ! 大丈夫だって言ってるのに~! ゆ・う・すけさん! にゃははは~」


目がくりっとしたチワワみたいな顔を向けた。
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