最後の血肉晩餐
 ジャジャジャジャーン! ジャジャジャ、ジャーン! ベートーベンの運命の音楽が鳴り響いた。


朝から携帯電話が勢いよく鳴り、気持ちがあまり優れないまま電話にでた。


会社からの電話だった。人生が終わり、その遺体を扱う葬儀屋には運命がぴったりの着信音だった。葬儀屋は休みの日でも会社から平気で電話がかかってくる。


時には会社の留守番電話が、携帯へ転送されることもあるので、ある意味いつでも拘束されている状態だった。


電話の内容は昨日のご遺体は充先輩が対応し、田中先輩の葬儀に急遽、手伝いに行ってくれとのことだった。


惨殺な死体だった為に、警察が聞き込みに来ている状態で不安らしい。現場が板橋区にある宗仙寺会館だったので、家から近い俺が適任だった。


南ちゃんにメールをいれておこう。


――仕事が終わったら、ちょっとでもいいから、またサティで会おう。またメール入れます。
< 208 / 672 >

この作品をシェア

pagetop