最後の血肉晩餐
冷たくなった四角い木箱を開けると遺体が現れた。


20歳くらいの若い女の子が横たわっていた。表情は読み取れなかった。両目がくり貫かれていたからだ。


くり貫かれた両目の目玉は切断された右手首に握られていた。


握られた? が正しいんだろうか? ただ単に乗っけられていたいうほうが正しいんだろうか?


だって指が五本とも切断されていたから。


みぞおちに何度も刺された後があり、その傷口の隙間に切断された指が差し込まれていた。


「友介、通常バラバラ死体だったら火葬から入るんだけど、

手首が切られたくらいだったから白装束で隠して葬儀をすることにしたんだ。

目は閉じさせればいいし……指と目玉も衣装の下にでも見えないところに隠そう。

ちなみに左手首は見つかってないそうだ」


「……遺族が来る前に早くやってしまいましょうか」


感情の機能を一切シャットダウンし、あまり遺体を見ないように俺は脚を持ち、田中先輩は頭を持って移動させた。


先に棺に引いてあった白装束を恐る恐る着せ、袖口に右手を通し、左の袖口の奥のほうに、両目玉を隠した。
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