最後の血肉晩餐
 「朝方まで遺体の取調べで警察に保管だったんだ。それで急遽会館で棺に入れることになっっちまった。」


田中先輩が脅えてるので、俺は意を決し、胸に差し込まれてる五本の指を抜き、左手の袖口に隠そうとした。胸の刺し傷はみえないようにすぐ衣装で隠した。


親指に何か彫ってあるのが見えた。


「Mammon? なんだこれ? マモンって読むのかな? 変わった刺青だな」


「そういえば友介、この子の葬儀には、親類があまりこないかも知れない。

貧乏な家族という理由もあるけど、亡くなった理由も関係あるみたいだ」


「……亡くなった理由ってなんですか?」


「警察がいうには、この子は出会い系でナンバー1のさくらで、

そのことが男性会員に判明し、手首を切られ殺害されたんじゃないかと予測してるらしいぜ」


「パソコンを見つめる目と、キーボードを打つ、手首、指がそれを表しているということですか」


「警察は男性会員たちのIPアドレスと振込先で、住所や調べ上げ、

しらみ潰しで聞き込みしてるらしい。サイトの会員数なんて大量にいるだろうから大変だよな」
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