最後の血肉晩餐
お通夜が始り、遺族、親族、参列者を見ると、ほどほどに集まっている様子だった。参列者の人数や人柄を見れば、亡くなった方がどのくらいの人望を持っていたのかが、わかるものだ。


僧侶読経が始まり、焼香が開始される。


この子はブランドを買わせるために、いろいろな男と付き合いまくっていたんだろうか?


次に狙われていたのは、間違いなく俺。付き合っていたかと思うとぞっとする。


「ざまあみろ! 人の男ばかりに手をだしているから、こういうことになるんだ!」


香を大量に掴んで棺にぶつけ、睨んでる女が現れた。なにごとかと、慌てて俺は止めに入ろうとした。


「もう忘れてくれ! もうしないから! 約束する!」


同時に体格の良い男が女を背後から捕まえ、会場から引っ張り出した。不倫相手だったんだろうか。40歳くらいの男の人だった。


それを見た参列者の男が、同じように無言で香を大量に手に取り、同じようにぶつけ、会場の外へ出て行った。
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