最後の血肉晩餐
 じゃぶじゃぶじゃぶ……鼓膜には、水しぶきの音しか聞こえないはずだったが、微かにポストに手紙が落ちたような音がしたのがわかった。


「新聞は取っていないしな? 手紙かな」


さっぱりした顔を拭き、玄関の入り口に向かい、ポストをそっと開けた。見てみると、白い封筒が入っていた。


「誰からかな」


差出人を見ようと封筒を後ろに向けると、赤いものが滲んでるのがわかった。


差出人の名前はなく、嫌な予感がしながらも、封筒をびりっと開けて中を見た。


A4サイズの折りたたんだ手紙が入っていたので開くと、その用紙も赤く滲み、貴方の好きな物いれておきました。好きです。好きです。好きです……好きです。がびっしりと隙間なく、ワープロの字で書いてあった。


「なんなんだ!? これは!」


封筒の重さで、他にもなにかが入っているのを感じた。
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