最後の血肉晩餐
「美味しい~! やっぱりここが落ち着くわ」


ワイングラスの中のワインをくるくる回転させた。照明がはいりこんで、ルビー色に見えた。


「そう言ってくれるのは、恵美さんだけだよ。これでも食べて! 本当は洋食を出したいところだけど、うちは和食なんで我慢してね!

ちょっとづつ出していくから待ってて!」


お祝いだからなのか、鯛のカルパッチョがテーブルに置かれた。


「いただきま~す! ん! めちゃくちゃ美味しい!」


鯛の白身のほどよい弾力と、さっぱりとしたすっぱさ、それでいて入り混じる、濃い飽きさせない味。


チン!


オーブンからは伊勢海老のチーズが乗ったグラタンが出てきた。


金粉が入った、上品な黒い横長のお皿に乗せられ、テーブルに置かれた。


「今日仕入れたやつだから美味しいよ。海老も好きだったよね!」


舌もイケメンスマイルも、どちらにもとろけそうだった。
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