最後の血肉晩餐
「はいおまち! もえちゃんカリカリしないの!」


信吾はお刺身を差し出した。


「カリカリしてないわよ! 私はお客様の為に働いてるだけ」


もえは刺身を奪って、テーブルに急いだ。


私はこっそりと二人だけの秘密話のように、耳元に口を近づけ、亮に聞いてみた。


「亮君、もえちゃんって凄い可愛いよね~。

ああいう子に好きって言われたら男の人は、堪らないんだろうね」


亮が真似して、私の耳元に唇を運んだ。


「どんな可愛い子に口説かれたとしても、俺は好きな人しか見えない性質だから」


テーブルにメインと思われる、マグロのステーキが同時に置かれた。
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