最後の血肉晩餐
「はい! 8名様ですね! お座敷にどうぞ~!」


もえのファンが来てくれたことによって、私を睨んでいたあの目から解放された。胸を撫で下ろした。


「亮君もう悪いからいいよ! 本当に美味しいから、どんどん食べちゃって太っちゃうよ~。あははっ」


「わかったよ~大人数のお客様も来たしね、お店終わるまで待っていてよ。ゆっくり飲みなおそう」


「うんわかった。待ってる」


亮君はワインをもう一本取り出し、カウンターに置き、料理に取り掛かった。


白い器の茶碗蒸しの蓋を開けてみると、蟹の爪が入っていた。蟹のダシは茶碗蒸しに良く合う。


私は時間を潰すように卵をゆっくりとスプーンですくった。
< 358 / 672 >

この作品をシェア

pagetop