最後の血肉晩餐
「そんな目で見られたら、照れちゃうよ~亮君」


「そんな奴……別れなよ。俺と付き合おう」


真剣な眼差しで、唇をそう動かした。私はかなり動揺した。


心は既に崖の淵でたたずみ、落ちたらどこまでも、亮君へ突っ走ってしまいそうだった。


「どこがいいの? その人の何がいいの? 俺ならずっと一緒にいてあげるよ」


崖っぷちから落ちないように支えてる体を、亮君の言葉がボクシングのジャブのように、今にも私を崖に沈めそうだった。


「ちゃんと別れてからじゃないと……考えられないよ……」


亮君は私が座っている椅子を自分のほうに向け、ぎゅっといきなり抱きしめた。
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