最後の血肉晩餐
 洋服を着込みながら浮気してしまったと後悔の念が働いた。浮気をするくらいだったら、別れなくっちゃ……。


「恵美、別れたら同棲しようよ。ずっと一緒にいよう。誕生日おめでとう」


亮君はそういうと、頭をなでた。友介と私はもう終わりなのかも知れない。


「自分の気持ちを整理してみるね。亮君のこと……やっぱり好きだよ」


とうとう私は口に出してしまった。言葉になってしまった。


「今日はもう帰るね……よく考えたいから」


「あぁ、いい返事待ってるよ」


一気に冷めた体を感じながら、タクシーを拾って、自宅へ向かった。
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