最後の血肉晩餐
 手料理なんかも、母親に作って貰ったことがなく、私が作った料理を物凄く喜んで食べていた。母の味は何? と質問した時に、ないと答えられ、このことが発覚した。


両親は高級料理店に連れて行けば、満足するとでも思ったのだろう。その両親にこの息子。感情が欠落しているのもわかる。


あの頃の笑顔は可愛かったのに……6年も付き合うと、やっぱり情だけになってしまうんだろうか?


遊び人の賢二が親友というだけで、不安だったりもするのに。


「独立したらどうするの? もっと忙しくなるよ」


「そうだな! もっともっと会社を大きくして、みんながもっと自由なプランを選べるように……低価格になるように努める」


私との将来は全く考えていないんだろうか……話に出てこない。


いつでも自分ばかりの夢ストーリーが、ワインを飲む勢いを加速させる。
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