最後の血肉晩餐
「お前、酔っ払ったんじゃないか? タクシーで送るよ。俺は往復している間に酔い覚ましするよ」


「うん。もう帰る。だいぶ酔っ払ったみたい……」


このまま一緒にいると、消して見えない将来ばかりを考えてしまいそうだった。お店を出るのは賛成だった。


店を出るとすぐにタクシー乗り場が見えた。さすが駅前に店を抱える居酒屋だ。


いつもならサラリーマンが行列で並んでいるところだけど、いつもより早めに店を出た二人は、すぐタクシーに乗り込めた。


私が一人で暮らしている、北赤羽のマンションに車は真っ直ぐ走り、向かった。


タクシーがマンションの前で到着すると、彼は自宅には寄らないと言った。いつもなら、言わなくても上がり込むのに。


「ちょっと最近疲れ気味でさ……今日は早く帰るね!

プレゼントは忙しくて買えてないけど、別荘に行った時は、ちゃんと用意しておくからね! じゃあ……お休み!」


「おやすみなさい……」
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