最後の血肉晩餐
誰にも相談できずにいた。もちろん朋子にも。亮とも顔見知りでもあるし、言い出せなかった。


そのままずるずると関係は続いた。順応であれば文句は言わない。ただ浮気や男に対してだけはいつも敏感だ。


亮には苦い思い出があった。初めて付き合った彼女の家に遊びに行くと、部屋に男物があったり、態度に不自然な箇所もあり、怪しいと思った亮は自宅のリダイヤルボタンを押してみたらしい。


――案の定、浮気相手に繋がった。


信じられた相手に裏切られる、浮気という行為。傷ついた亮は、異常に敏感になってしまったという。


私は不安を覚えながら、続けていくしかなかった。


――絶対に過去には戻れない。


友介に戻ってしまったら、愛しすぎて他の人が一切見えなくなるのが怖い。


それだけはもう出来ない。
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