最後の血肉晩餐
公園の周りには団地や柳の木、桜の木と木々に囲まれ、真ん中に池があり、昼間だと魚釣りしてる人や原っぱ、ベンチやテーブルも多く、主婦仲間のお喋り、子供がはしゃぐ声、犬の散歩仲間、ランニングしてる人達が目に付く、ちょっとした大きい公園だ。


暗い公園内の、草が生い茂る道を歩いていた。静か過ぎてルー、ルーと虫の鳴き声もしっかりと聞こえる。


「信じられないとかじゃないんだ。ああいう光景を見たくないんだ。」


亮はやっと唇を動かした。


「世の中、男と女しかいないんだし、関わらないとかって、無理な世界だよ……いつも一緒にいるじゃない。なにが不満なの?」


皮肉なものだ。


友介とは、いつでも一緒にいたかったのに。今は違う。


好きな人と一緒にいることが苦痛になることもあるんだ。こんな感情もあるんだと、初めて知った。


「さっき、なんて言いかけたんだ? じゃないと私ってどういう意味?」


暗い道を黙々と散歩する。草の匂いが立ち込めるこの公園も今は鼻血の匂いしかしない。


暴力は許せない。病院でも暴力を振るわれて入院してくる患者は良く見る。絶対に許せない。


なのに別れるの一言がいえなかった。言葉を濁してしまった。
< 430 / 672 >

この作品をシェア

pagetop