最後の血肉晩餐
 涙がこぼれそうになったので桃が慌ててハンカチで拭った。そしてゆっくりと口を開き語り出した。


「……浮気相手がイたみたいなの。いつものコトだけどね。」


「あいつは昔っから浮気多かったからなあ。桃は良く、ずっと耐えてきたよな」


「私が耐えてこられたのは……浮気相手の方が遊びとはっきりとわかったからよ」


「――どういうこと?」


「刑事の質問を聞いていると、賢二は浮気相手のほうが本気になりつつ――いや、本気だったのかも知れない」


ふらっと、倒れそうになった桃の体を思わずささえた。


「おい! 大丈夫か? 口つけたやつで悪いけど、水を飲むか?」
< 463 / 672 >

この作品をシェア

pagetop