最後の血肉晩餐
 照れ笑いの笑顔がこぼれた。にやけた顔をしながら俺は車に近づく。恵美はすぐに助手席のドアを開けてくれた。


「久しぶりだね。少しは元気になった?」


「あぁ、誘ってくれてありがとな。本当助かった」


恵美はビックスマイルを作りこちらに向けた。


「それは良かった! 早く行きましょう」


「うん!」


昔とは違う車。だけど車の中は恵美の匂いで溢れていた。今でも心地よい感覚があるのは、なんでだろう。


未練なのか?


「疲れてるんでしょう? 寝てていいよ? 着いたら起こすし……あっあと、お酒も沢山持ってきたよん。

彼が料理屋だから、飲み物やら食べ物やら不自由しないのよ。うふっ」
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