最後の血肉晩餐
「ああ、そうだったな。羨ましい限りで!」


嫌味のようになってしまったかな。まぁいいか――。


窓の外を眺め、道路を歩いている人達を見つめていた。都会の喧騒から早く抜け出したい。


「ありがとうでしょ! 全く。美味しいもの沢山作ってあげるね。

料理の腕がびっくりするほど上がったの。楽しみにしてて♪」


料理屋の彼氏から教わったわけか。気にしないようにしてるのに、気にかかってしまう自分が情けない。


車のドアに寄り掛かりながら、横の窓からぼんやりずっと外を眺めていた。


「お腹はすいていない? 後部座席に紙袋あるでしょう? オニギリ少し握ってきたから、良かったらどうぞ~」
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