最後の血肉晩餐
――お腹が空いた……。

匂いに誘発されたお腹が食べ物を欲しがっている。


手早く体を拭き、新しい白いTシャツ、青い短パンに履き替えた。


薔薇のバスタオルを肩に掛け、いい香りがするキッチンに向かった。


包丁の音や鍋の音なんかが微かに聞こえる。キッチンの扉を軽く開け、隙間から声をかけた。


「おい~恵美。出来たか?」


エプロンをした恵美が振り返った。


「ちょっとあっち行ってて! 料理を運ぶから! ワインがリビングに置いてあるから飲んでて! 男はキッチンに入らないの!」


バタンと扉を思いっきり閉められた。
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