最後の血肉晩餐
――なにかの間違いだろう? 嘘だ! これは悪夢だ! 恐ろしいこの二人が会話をしているなんて考えたくもない。


鼻腔に突く独特な生臭い悪臭を、また嗅ぐ羽目になるとは思っても見なかった。


「だからですね……あのワイン、とっても美味しいのだけれど、胃に圧迫感があると思っていたのよ。血の鉄分で重くなって胃が膨れていたのねぇ?

勿論、内緒にしておきますよ? あんなに美味しい極上のレシピは、他にマネされたら堪ったものじゃないですから」


「うるさい! 黙れ! お前が喋ると口臭が凄いんだよ! どっか行けよ!」


「友介、シスターになんて言う口の利き方するのよ。全く……」


「恵美? お前こそ正気じゃないんだよ! なんでこいつとまともに話せるんだよ? 眼を覚ませよ!」


「あら、友介さん? 鎖をつけてどうなさったの? 椅子に縛り付けられてる割には元気そうでなによりね?」


くそ!!!! この鎖がなければ、飛びかかりシスターの顔面にパンチを何発も御見舞してやるのに! 


「シスター! 俺のことを好きなんだろう? この鎖外して助けてくれよ?」


「シスターが貴方を好き? そんなことがあるわけないじゃない。なにを言っているの友介?」
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