最後の血肉晩餐
 ――やった、届いた!


ナイフが手の平に握られた。チェーンを削ろうと手首を曲げたが、身体が硬く、届かない。


……削るのは無理か。やっぱり武器として使うしかないか?


「ただいま~! 友介さん! お待たせぇ! ルールールンルン」


シスターは鼻歌を歌いながら扉を上機嫌に開けた。口臭とともに、ボストンバックをドサリと床に置いた。


「え、恵美になにをしたんだ?」

「なんですか? なにもしていないですよ? 友介と同じように浴室に、鎖で繋いだだけよ。彼女は愛しい私の使徒。これからも一生可愛がり、ともに歩むんですの」


「じゃあ、ここで可愛がればいいじゃん? わからねーよ」


「貴方は格別……一緒にいさせるわけにはいかないわ。順応な彼女は大切な役割があるの」


シスターは膝を曲げ、ボストンバックのチャックを右から左へ移動させ、その中身を確認している。


「役割って何? ……俺は何? なんだっていうんだよ!!!!」
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