最後の血肉晩餐
「友介さん。純粋だからといって犯罪者を野放しにするんですか? その前に私の可愛い食事係……いえ、使徒でもあります。彼女は私が守りますから、安心してください」


「罪は俺のせいにすればいいだろう? 元はといえば、みーんな俺のせいなんだから」


「あら、しおらしいのね?」


シスターはナイフの持っている右側ではなく、左側に回った。鎖で繋がれている俺は、ナイフという武器が今度は全く通用しなくなった。


片手にはスタンガン、もう片方には、のこぎり。なんて恐ろしいシスターだ。本当に、これが神の使いなのか?


「ち、近づくな! 何をする気だ!」


シスターはバチバチとスタンガンの電流スイッチを、何度も入れては消して、楽しんでいる。ニタリと微笑み、鼻の曲がりそうなヘドロのような口臭を撒き散らし、神の使い、死神は近づいてくる。バチバチ、バチバチとまるで死の舞踏だ。


迂闊にも、コンビニなどに設置してある青い光を放つ、電撃殺虫器を思い出してしまった。


小さな身体を、電圧の青く輝く光に、命を一瞬にして奪われ、ひらりと地面に落ち、死に逝く虫達……俺も虫けらと同じだ。


「そのナイフを離さないから仕方がないのよぉ~……覚悟おし!」
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