最後の血肉晩餐
「……」


「恵美さん、ちょっと、ちょっと! 時が止まっているのかしら? 仕方がないわねぇ……手首を切って外せばいいのかしら?」


「そ、それは止めて! キッチンの戸棚の右側の引き出しに入っている」


「だったら早く言いなさいよ!」


シスターは翻し、足早に消えた。


永遠に幸せな暮らしになるはずだったこの場所は、何度も罪を作り出す、地獄の場所となってしまった。シスターは私をどうするのだろう。やはり解体され、食されるのだろうか? 

――それもいいかも……友介がいないこの世界なんて、もう私には意味がない……。

――ペッ。


貴方を少しでも感じていたかったけど、吐き出した。生き延びろよ。と脳に響いたその言葉のほうが、今は大切にすべきなのだ。それが貴方が私に対する、最後の導なのよね?……分かったわ――。


そんなことを考えている間が、一時の安住の時間だったと思い知る。


ズルズルと床が擦れる音、肉が引き摺られる音――シスターが再度扉を開き、浴室に運ばれたモノ。友介の死体。


「わあああああああ!!!!」


「や、止めてよぉ~。 浴室に声が響いて煩いじゃないの! 貴方の愛しの彼よ? 喜びなさいよ」
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