最後の血肉晩餐
両腕を血の池から拾い上げ、今度は鉈で、肘関節を目掛け切断する。ふぅー。とため息が思わずでる。骨はやはり頑丈だと毎回思い知らされる。息を思いっきり吸い、吐くと同時に、鉈に力を込める。


――ダンッ! ……カラン。


浴室のタイルに鉈を放り投げ、扉の外のトレーに、切断された両腕をそっと置く。

――次は両足ね。


解体には神経を使う。特に今回は、より無に近づかなければ。これは愛する人ではない、ただの肉の塊だと。

これは友介だと、一瞬でも脳裏に浮かんでしまえば、口の中が胃液で一杯になってしまう。


無、無、無、無の世界。思考停止。 


――ブロロロロ!!!!


勢い良く、刃が再度回転する。これは美味しい、豚の足。なにも躊躇する事はない。


「あははははっは!!!!」


片足が上手くいけば、もう片方も簡単な作業だ。刃が肉を切り刻む度に、血しぶきが浴室の壁を汚す。まるで壁画を描いてるようだ。


もうこの身体を、女達に触らせない! ――駄目! 思い浮かべるな! あれは豚、家畜。美味しい家畜なのよ!
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