最後の血肉晩餐
 ――さようなら亮……色男が台無しね。無様な死に方。同情するわ。


「ねぇ、シスター? 一緒に解体しましょうよ。二人で作業したほうが早いですし、腕が疲れてきちゃった」


「そうね! 祭壇もできたし、早く終わらせましょうか。必要な道具はまだあるのかしら?」


「これからは内臓を細かく切らないといけないからぁ……マスクと手袋は必須ですね」


「内臓ねぇ。心臓って美味しいのかしら? 」


「とっても美味ですよ。さぁ行きましょう」


「……悲惨な状態ねぇ? これはもう牛か、豚の胴体にしか見えないわねぇ……」


「シスターもこれだったら、やりやすいでしょう? ふふふ」


血のついた赤黒い骨が、あちらこちら飛び出していた。大繁盛で客に振る舞い、喰い散らかしたケバブのようだった。


「まずは血をポンプですくい、瓶につめて凍らせましょう」


ここから私達は、無言で作業に集中した。


浴槽の血を集め、冷凍。それを繰り返し、血の海は一旦消えた。


マスクを装備し、鉈でアンコウを捌くように、下腹部から胸まで、一直線に引く。


どばっと腸が飛び出した。体内で発酵されたガスが強烈な悪臭を浴室に充満させた。
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