最後の血肉晩餐
「お任せします。そういえばおじさんは、まだ試したことがないですもんね」


――体臭や口臭。この世のものとは思えない大きな口や牙。醜女のシスター。不思議です。やはり憎めない。貴方とは同士に感じる。話しているとやっぱりどこか落ち着くんです。これが宗教の力なんだろうか?


「じゃあ行ってきます。連れて来たら決して驚かないでねぇ? 恵美さんがとっても気に入る人を連れてくるからぁ」


「……誰でしょう? 想像もつきませんね……お気をつけていってらっしゃい」


パタンと玄関が閉められ、庭からは車のエンジン音が聞こえた。


食器を片付けながら、どんな人を連れてくるんだろうと、そればかりが頭の中を過ぎった。部屋を掃除し読書をし、気を紛らわすが、時計の針ばかりが目に留まる。


なんだか落ち着かない。そうだ。今、シスターもいないし、祭壇にいる友介を見放題よね?


階段を降り、友介に会いに行った。 地下室はシスターが念入りに掃除をしているようだ。いつも綺麗に光輝いている。


貴方を目にすると、クリスマスや誕生日一緒に過ごした時期を思い出した。それと同時に南の記憶も蘇る。


――忌々しい。南に奪われなくって良かった。


「あれ? なにかしらこれ」
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