最後の血肉晩餐
「嘘じゃないの水戸さん。鈴木江里……彼女の場合は、出会い系に走る友介を馬鹿にした。それも許せないことなの。愛してる人がコケにされるのは、黙っていられなかったの。

この件で少し、女遊びは控えてくれるかなとも思った。なにが彼を駆り立ていたのが分からないけど、今度はSNSで、釣りを始め出しました。悔しくて、悔しくて堪らなかった。私達はあんなに簡単には出会わなかったのに――手軽に出会い、恋愛を楽しむ女達を憎んだ。


憎んだ! 憎んだ! 憎んだ……とてもそれは苦しいことなの。その末、彼が釣りに成功し、喜んで会いに行ったのが、高橋洋子だった」 


「彼は君を忘れたかったんじゃないのか? 男心だよ」


「私には分からない。忘れなければいいじゃない! 私のように! 高橋洋子は私から見ても最悪な女だったわ! 目を疑った。ブクブクと太った女が、ネットで男を釣り、御飯を奢って貰おうと必死だった。女の目から見ても、情けく醜くかった。水戸さん、なぜこの女は罪じゃないの?」


「彼女は本気で、出会いを求めていたのかも知れない。主観は良くないよ」


「そうなのかな? 私には醜くしか、映らなかったよ……だから殺しました。男に媚びる豚女を、私は殺しました」
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