最後の血肉晩餐
「そして鈴木亮……水戸さんが知っている私達は、一緒に小料理屋を経営していたということくらいかしら? 彼とお付き合いしたのは、友介を忘れられると思ったから。でもとんだ間違いをしていた。極度のやきもち妬きで、他の男と話したり、気に食わないことがあれば、私を殴った。


殴りつけられるたびに、流れに流されてしまった自分を憎んだ。良い事も勿論あった……料理の腕が上がったことと、あのお店が手に入ったこと。でもこの憎しみに比べれば、そんな喜び、ミジンコ並みだった。そして彼と友介を比べてしまう自分が抑えきれなくなった……忘れるどころか、どんなに友介を愛していたか? ただただ、それを思い知るだけの恋愛になった」


「恵美さん……君の愛は深すぎる。使い方を間違えば、凶器にしかならないよ」


「人肉を売り、あの店を手に入れるために亮を殺し、店を売り払った。その蓄えたお金で、あの別荘にずっと友介と生涯楽しく幸せに暮すはずだった。中でも一番憎かった相手は桐野南……彼女はもう少しで友介の全部を手に入れそうだった。


絶対にそれだけは許せなかった! 病院で見せる、勝ち誇ったあの顔。ぶっ潰してしまいたかった。でも見たの……彼が南に暴力を振るっているところ。あの場面を見たら、彼を取り戻せると確信した」
< 661 / 672 >

この作品をシェア

pagetop